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【書評】「活かそう!発達障害脳」

発達障害について理解を深めたくて手にした本です。

 

「活かそう!発達障害脳―「いいところを伸ばす」は治療です。」

 

 

著書は、子どもの発達を脳から診ている小児精神科医の長沼先生。この先生の本は初めて読みましたが、タイトルにあるように「いいところを伸ばす」という姿勢やお人柄が随所に現れていて、明るい気持ちになる本でした。

 

 

 

★まず、ご自身のことをこんな風に描写されていました。

「社会性が弱くても好奇心とこだわりがある気質を、組織に縛られないで自分なりに活かしてこれたから、今、自分らしく生きている。自分の特性について自覚があったから、それを仕事に活かした独自の取り組みができ、生きがいを感じられている。」

 

★そんな先生は発達・脳の凸凹は、強みと弱みのセットと何度も強調されます。

例えば、学習障害も「何らかの困難を抱えている状態」ではなく、「独特の能力を秘めた状態」と見ます。この見え方、考え方、価値を変える「パラダイムシフト」こそが、“脳の凸凹を活かす!”こと。このことを「ゼロ次特性(潜在能力)」と名づけ、誰もがもっていると述べられているのも印象的でした。

 

★脳の各部位の働きや連携などについて多くのページが割かれています。

超感覚、環境、HSP(ひと一倍敏感)や自律神経についての解説もあり、発達障害が新たな視点で捉えられます。

 

★対談形式なので、専門的内容も物語を読んでいるような感覚で理解できます。

でも、これも読者の方の脳の特徴によっては、読みやすく感じたり苦手に感じたりするかもしれませんね。

 

 

<まとめ>

自分の良いところも、悪いところも自分で気づくのは難しいもの。周りの人がそれを言語化して伝えていくことは、ますます重要になると再認識しました。「自分には苦手もあるけど、得意もある。その得意で勝負していけばいいのだ!」と子どもにも自分にもエールを送りたいと思いました。「こだわり」「苦手」の裏に、得意が必ずあります!ピンチはチャンスになるのです(^^)